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恐怖からの自由

中国における「海棠(ハイタン)文学」事件:BL・ポルノ作家への弾圧

人気BL小説 『天官賜福』や『魔道祖師』 をご存知でしょうか。これらの作品はのちにアニメ化され、日本でも大ヒットした中国の作品です。アニメイトなどで関連商品を見かける機会も多いでしょう。

しかし、これらの作品の著者である墨香銅臭(モー・シャン・トン・シウ)さんは、2018年に「違法出版」の容疑で起訴され、非公開の判決後、公の場から姿を消しました。それ以来、彼女に関する新たな情報はほとんどなく、私たちは彼女が刑務所に収監されている可能性を懸念しています。

そして今、中国ではBLやポルノ作品を執筆する女性作家を狙った同様の事件が再び発生しています。 あなたからの注目と支援が必要です。

今回の標的は、成人向けポルノ小説に特化した中国語ウェブサイト「海棠文学」です。2024年6月以降、このサイトの多くの作家が更新を停止し、行方不明になりました。中国の不透明な警察制度とメディアの報道不足により、一連のことの発端は、作家やその家族が自らオンラインで公表することで初めて明らかになりました。

私たちが把握している限りでは、安徽省警察によって50人以上の作家が拘束され、「わいせつなポルノグラフィー拡散罪」で起訴され、有罪判決を受けました。 中には1年から5年の懲役刑を科された作家もいます。これは、中国における実際の性犯罪の刑罰よりもはるかに重いものです。

この衝撃的なニュースは、当時の中国のソーシャルメディアでは限定的な注目しか集めませんでした。BBCチャイナや一部の独立系メディアが報じましたが、詳細な調査は行われませんでした。ほとんどの作家は、より軽い刑を求めて罪を認め、巨額の罰金を支払いました

弾圧の拡大:警察による「遠洋漁業」

2025年6月1日には、蘭州警察が主導する「遠洋漁業」の第2弾逮捕が報じられました。これは営利目的の成人向けコンテンツ作家だけでなく、非営利の作家や、これまでアダルトコンテンツを投稿したことがない作家ですら、警察に目をつけられてしまうということです。現時点の情報では、200人から300人の作家が警察に呼び出されており、その多くが低所得層の若い女性です。

現在、このような作家たちは巨額の不当な罰金と、懲役刑の可能性に直面しています。 侮辱や脅迫を受けたり、警察の措置によって学校を退学させられた作家もいます。このような警察の措置は違法であり、作家たちの基本的人権が侵害されていると考えています。営利目的か非営利目的かに限らず、単にフィクションのポルノ小説を執筆し、専門サイトで公開しただけで、これほど厳しく処罰されてしまうのです。

さらに、捜査の過程で警察は、サイトの支払い記録に基づいて閲覧者を呼び出し、その閲覧履歴からIPアドレスを特定して、作家の取り調べに利用しました。 これは表現の自由と個人情報のプライバシーに対する重大な侵害であり、手続きの公正さが著しく損なわれています。

自由を守るために、あなたもこの事件に注目し関心を寄せてくださいませんか。

中国には多くのクリエイターが存在します。彼らの創作の自由、そして恐怖から解放される自由を守ることができなければ、それは私たちコミュニティにとって深刻な損失となります。私たちは作家たちの状況を常に憂慮しています。

同時に、これは単に作家たちが直面している問題ではなく、私たち全員に深く関わる問題でもあります。このような圧力の下で、作家たちが最終的に保護されなければ、私たち一人ひとりが安心して創作活動や趣味を続けることができなくなり、恐怖に怯えながら生活することになるでしょう。

私たちは、皆様の関心とご支援を心よりお願い申し上げます。

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書く自由がなければ、考える自由も、自らの意志で行動する自由も、恐怖なく日常を生きる自由もありません。ポルノであろうとフィクションを創作し、共有する権利は人権です。そして、女性の欲望、そして多様な性的指向を持つ人々の欲望が書かれ、表現され、認識されることを許すことこそが、この時代にいきる私たちの使命です。

この不正義に対し、私たちのクリエイターと共に立ち上がり、作家らの声を保護しませんか。